忍者ブログ

≪ 前の記事次の記事 ≫

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

▲TOP

8月16日

今日は昨日のリベンジとのことで岐阜駅前のかき氷屋さんへ。昼頃から行ったほうがいいだろうなあなどと思いつつなんだかんだ15時半ごろに店に着く。ものすごい行列。わかっていたので文句は言わない。何時間だって待つつもりだ。待っている間、以前買ってそのままにしてあった三崎日和を読む。いしいしんじのエッセイだ。日記を本にまとめたもので、つまり自分の大好きなやつだ。いしいしんじの本はぽつぽつと読んでおり、もちろん大好きだ。この日記を読んでいる人は知っていますね。いしいしんじの書く小説はやわらかい文体だけれど、その日記もまたやわらかい文体で読んでいて心地がいい。彼はとてもよい近所付き合いをしているようであり、よくおすそ分けをしたりおすそ分けをされたりしているようである。その様子を「茄子漬け物がサンマ寿司にかわった!」「空き瓶がししとうに化けた!」と書き表していて(かわる前のものは別に食べ物だけではない)、それが何度も出てくるのでそのたびににこにこする。喜びようが伝わってくる。いい表現だと思う。三崎は海に面した街であり、また魚屋さんと仲がいいようなのでいしい家の食卓にはよく魚がのぼる。海無し県である岐阜の人間にとってとてもうらやましいばかりだ。本を2分の3ぐらいまで読み進めて、時間は3時間、列はお店の前まで。我ながらよく待っていたものだと思う。オタクは列に並ぶのが大好きなのでおとなしく待っていられる。列に並ぶと本が読める。とはいえ3時間くらいが限界なんだろうなとも思う。自分の場合、家にいたって寝るかぼんやりとインターネットをするしかしないので、むしろ外で本を読んでいるほうがよっぽど有意義のように思える。まあでも、暑かった。ひたすらに暑かった。日が出ていないだけまだ全然ましなのだけど、膝の裏を汗が流れる。ペットボトルのお茶を買って飲みながらやりすごす。途中、あたりに雨の匂いが立ちこめて、これはもしや、と思ったけれどなんとかもってくれてよかった。紙の本を持っているとなかなか水が恐ろしい。もちろん傘は持っていない。



店の前で自撮り写真を撮る女性たちを眺めていて、彼女たちは自身が主人公であるという自信に溢れていてすごいなあ、と思った。自分はどうにも写真が苦手で、上手に写れない/笑顔を作るのがへたくそ/まじまじと自分の姿を見るのがあまり好きではないなどといろいろ理由はあるのだけど、とにかく自撮り写真を撮る人たちとは違う星に産まれたのだということはわかる。お店を背景にしてけったいな棒の先に取りつけた端末で写真を撮る彼女たちの姿は、どこからどう見ても彼女自身の人生の主人公でとても眩しく見えた。うらやましいかと言われると、正直特にそうでもない。でも、まっすぐと肯定できるような人生を送っている姿はうらやましいかもしれない。自分の人生はずいぶんとねじ曲がったものになってしまっているので、肯定するにも一苦労だ。店内に着いてからまたしばらく待っていたのでその合間に日記を書く。さっきまで読んでいた三崎日和に引っぱられてとても饒舌になっていますね。あと純粋にまだ記憶が新しいから。いつも寝る前に書くのでそのころにはいろいろ忘れてしまっているのだ。と、ここまで書いたところでかき氷がやってきた。続きは食べ終えてから書きます。



食べ終わりました。おいしかった。夏のいちごミルクというものを食べました。ふわふわの氷が器の上に山盛りになっていて、練乳といちごシロップといちごの果肉がごろごろと乗ったもの。こういう、雪みたいな氷を削るのはいったいどういう機械を使っているんだろうか。たぶん、氷自体の凍らせ方にも工夫があるのだろう。そう考えるとやはりかき氷はつくづく貴族の食べ物だなあと思う。冷蔵庫なんてなかった時代、氷を食べたがった王様が氷山から切り出した氷を家来にえっちらおっちらと運ばせて食べようとした、みたいなお話がありましたよね。ふふふ、貴族だぞ。実際にやってることは難民キャンプの炊き出しに似ている。まあでも、そういうアトラクションだ。本も読める。帰ってきたら家に祖母が来ていて手巻き寿司があった。そういえばお盆だった。この休みはずっと出かけたおしていたので祖父の墓参りに行けていない。どこかで仕事帰りにでも寄ろうかと思う。お墓楽しいしね…。そんなこんなでこの5日間、毎日どこかしらに出かけるという行為に成功した。自分史上初めてのことだ。やればできる。楽しかった。明日からはまた仕事だぞ。次の土曜日はシネマスタッフのライブを観にいくのでそれを楽しみにがんばります。

拍手

PR

Comment (0) | ▲TOP

Comment

  • メールアドレスは入力しても管理画面でしか表示されません。
  • コメント投稿時にパスワードを設定していた場合のみ、名前をクリックすると編集出来ます。

Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字